こんにちには!ひでさんです。(@tekutekuhidesan)
日常をほんのりよくする情報を発信しています。
家族ってなんだろう?ふとそう思うことがあります。
そんなことを考える大きな理由として挙げられるのが、義理の父母との同居生活です。
実はぼくは、奥さんと自分の子どもだけでなく、奥さんの両親とも一緒に暮らしています。育った環境が違うからとは言え、意見が合わないこともしばしば。
若いぼくたちとの年齢的な差もあるのかなとも思いながら、納得いかないこともかなり多いです。
おそれながら、世の中のお嫁さんたちのご苦労がほんの少しは分かったような気がします。ほんと、気がするだけですが。
(このあたりは、またの機会に。)
そんな悩みながらの毎日ですが、ある脚本家さんの言葉を思い出しました。
「家族とは、好きでも嫌いでも一緒にいる存在」
…うん。なんだか、この言葉が染みてきます。
ものすごく、染みてきます。
おでんの大根くらい染みてきます。
その一方で「嫌いでも一緒にいる」ということに反発している自分もいます。
まだまだそこまでは達観していないなと。
おでんで言うならこんにゃくくらいの反発力でしょうか。(例えなくてよい)
そんな折、ある本の存在を知りました。
それが今回紹介する『家族』というリトルプレスで、一年間ある家族を追っかけ取材し、本にしたというのです。
一年間も家族に密着。
その密度の濃そうな内容に「もしかしたら、家族のなんたるかが知れるかも」と、ビビッと来て買ってみることにしたのでした。
本を手に入れるまでは少し時間がかかってしまいましたが、読んでみるといろんな家族がいるものだなあと感じました。
それでは、この本を手に入れることになった経緯や内容を以下で説明していきますね。
ごゆるりとどうぞ。
- 家族第一号の内容が少しわかる。
- 家族ってなんだろう?と、ともに考えてみましょう。
家族と一年誌『家族』(第一号)の基本情報
家族と一年誌「家族」第一号
発売日:2015年5月15日
サイズ:A4変形
ページ数:100P
価格:1500円(+税)
ISBN:978-4-9908250-0-3 C9476
STAFF:
クリエティブ・ディレクター:中村俵太
編集長:中村暁野
編集:梶山ひろみ
編集補助:中村花種
アート・ディレクター:藤田裕美
フォトグラファー:奥山由之、吉楽洋平
発行所:株式会社HYOTA
▼かんたんな内容
創刊号で紹介する家族は、鳥取県大山の麓の森の中で何もない土地を切り拓き、自らの手で家を建てた谷本一家です。谷本一家は家作りを通し家族の絆を深めていきました。何を想いこの地を選び、どのような暮らしをして、何を目指すのか?父はSBALCO desighとして廃材や木材を用いた内装・家具製作を行なう谷本大輔、母はOLAibiの活動名で国内外で活躍するミュージシャン谷本愛、息子は小学生の頃からコーヒー修行を続け今やANANN coffeeとしての出店が各地でひっぱりだこの中学生谷本空南、そして黒柴犬のハナ。家族みんなが多彩な才能を持った谷本一家の2014年夏から2015年冬を追いました。
家族と一年誌『家族』では一冊丸ごと、ひとつの家族を取り上げます。(冒頭の文より)
…とあるように創刊号では、谷本さん3人家族を取材し、一年間追いかけていきます。
家族と一年誌『家族』を手に入れるまで
リトルプレスやZINEについて調べているうちに出会った『家族』という本。
コンセプトがとてつもなくおもしろいと感じ、どうしても手に入れたくて、各地のリトルプレス販売店のサイトを見てみるも、売り切れ状態。
なので、探すことをしばらく放置していました。
もう手に入らないのかなと、ほとんどあきらめていたのだけれど、第2号が出るというニュースが入ってきたタイミングで、もう一度調べてみると、なんと東京の方に一部だけ発見!(もしかして2号発売に合わせて増刷されたのかな?)
あれだけなかったものがなぜ?と、ダメ元で注文したら、「発送しました」というメール。
ほんとうに届くのだろうか?と半信半疑でまっていましたが、心配もよそに無事手元に届いたのでした。
そんなこんなで手に入れた『家族』
おもわずその日のうちに全部読んでしまいました。
思い出し感想・わたしの想い
ここからは読んでみての感想です。
冒頭で少し触れましたが、この『家族』という本を読めば家族のなんたるかを知ることができるかも。
そんな想いで読み進めていきました。
よその家族の様子をのぞいてみる。
ふつうはできないそんなことが、本を通してできるのが本書だと思います。
家族は小さな集団ですが、ぼくたちが生まれて一番最初にであう社会です。
その小さな社会では、どんな意思決定がされていくのか?
一つの家族の一年間を通して家族のありようが描かれます。
この本に出てくるのは谷本さん一家。
鳥取県大山の麓の森を切り開き、家を作り、そこで暮らしていきます。
この暮らしぶりはとうてい真似できるものではないけれど、すごいものをさらりと見ているようで、とても爽やかな感じがしました。
本の構成は、写真と文章が半々という感じで読みやすいです。
ある意味、写真集といってもいいくらいたくさんの写真が使われています。パラパラとページをめくっていくだけでも雰囲気を味わえるのではないでしょうか?
また、一年みっちり春夏秋冬の動向を追いかけていくというよりも、物事が起こったところをピックアップするダイジェスト的な感じで、そこは手に入れる前のイメージと違いましたが、そこが読みやすさを生んでいると思います。
近隣の谷本さんと関わりのあるお店や農家の方たちのインタビューもあるので、観光ガイド的な側面もあり、家族ドキュメントだけでなくもう少し幅の広い使い方ができそうな本になっています。
こういった取材対象がある本の場合は割と内容がディープになりがちなところもあるのですが、いい意味でライトで、そのライトさが功を奏して、これが家族の理想なんだ!となっていないところに好感が持てます。
つまり、この本に触れてどう感じるか?ということについて読者で決められる余白があるということです。
…とは言っても、単純に描写するだけでいろいろとすごい谷本一家なのですが。
まとめ
家族はこうあらなければならない。のではなく、この家族でどうありたいのか?
そんなことを問われている気がした本書。
ひとつ羨ましく感じたのは、谷本さん一家、みんなが同じスタートに立っているということ。
家を作る。住む。暮らす。
すべてがゼロからというとてつもない状況。
この中で起こってくる様々な体験や共同作業が谷本さん一家を家族たらしめているのかもしれません。
であれば、ぼくも現在の家族とゼロベースで何かを作っていけばいいのかもしれないと感じたのでありました。
またおもしろいのが、この本を制作しているのも家族なんです。
本書のクレジットに、
クリエティブ・ディレクター:中村俵太
編集長:中村暁野
編集補助:中村花種
…とありますが、中村さん夫婦と娘さんが制作に関わっています。
これってすごくないですか?
なぜ、こんな制作体制になったかは本書のあとがきに少し書かれていますし、
こちらのサイトのプロフィールでも伺い知ることができます。
夫とのすれ違いと不仲の解決策を考えるうちに『家族』の創刊に至り、取材・制作も自身の家族と行っている。
そのうちぜひ、中村さん一家にもご登場いただきたいと思います。
結局、家族とは何か?という問いの答えは出ないままですが、ひとつの形にしばられることなく、悩んで、模索していってもいいのかもしれないなと思いました。
第二号が発売されたばかりなので、もしチャンスがあればこの第二号をお手にとってみることをおすすめいたします。
それでは。また。
▼リンク>>>家族と一年誌『家族』オフィシャルウェブサイト
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