額縁を注文する際に
「金ラック」
「金消し(ケシ)」
と書かれた表記。
実はこれ、額縁のフレームの塗装の違いなのですが、素人にはどこがどう違うのかよく分かりません。
そこで、この記事では金ラック、金ケシの違いを分かりやすく解説していきます。
ぜひ、額縁選びの参考になさってくださいね。
それでは、どうぞ!
額縁の種類 金ラックや金消しとは?どう違うのか解説
額縁の金ラックや金消し(金ケシ)が何かというと、フレームの塗装の違いのことになります。
上の画像でいうと・・・
- 茶色と黒の縞模様が「金ラック」
- 金色が「金消し(金ケシ)」
・・・となります。
くわしく見ていきましょう!
金ラックとは?
「金ラック」という名前の印象とは違い、見た目には落ち着いた濃い茶色に縞模様が入っているのが特長です。
▼「金ラック」について調べてみると次のようにありました。
金ラックの名前の由来は棹(フレーム)に塗装する際、金粉をラックニスで溶いたものを使っていたからです。(現在生産している金ラックは転写フィルムを貼ったものです。)
もともとフレームを塗装する際に「金粉をラックニスで溶いたものを使っていたから」とありました。
ここから「金ラック」と呼ばれているのです。
▼ちなみに、ラックニスとは・・・
ラックニス
lac varnish
ラック(貝殻虫)の分泌物をアルコールで溶解した塗料。天然樹脂の中で唯一、熱硬化性の樹脂で、アルコールにしか溶けないことから、木工用下地塗料に利用されている。速乾であるため刷毛塗り作業性は良いが、耐熱性や耐アルカリ性などは良くない。シェラックニス。
またラックニスは正式名称として「シェラックニス」と呼ばれ、ラックカイガラムシが吸った樹液の分泌液を利用して精製した塗料のことです。
シェラックとは、ラックカイガラムシがマメ科やクワ科の樹木に寄生して樹液を吸い、体外に分泌した樹脂状物質です。樹木の枝に多くの虫が群集し、樹脂層が一塊になって棒状となるのでスティックラックと呼ばれています。スティックラックを粉砕後、ふるい分けをし、水洗いをして虫殻や木質、水溶性色素などを除去したものはシードラックと呼ばれています。水溶性色素は回収されてラック色素と呼ばれ、食用色素や染料として使用されています。
▼シェラックニスの特長として、次のようなものがあります。
・天然樹脂としては唯一の熱硬化性樹脂
・常温でアルコールにゆっくりではあるがよく溶ける
・熱に容易に融解するが一度熱硬化した後は熱や溶剤にも侵されなくなる
・強靭な耐油性を有する
・電気的に不導体である
・優れた耐摩耗性を有する
・ワニスで塗布されたシェラックの薄い被膜は光沢性に優れ、耐摩耗性、密着性、耐久性に富んだ円滑な表面を形成する
・アルコール以外の有機溶剤にもほとんど不溶、または膨潤するだけである
・水では不溶だが、アルカリの温水で溶解する
以上のラックニスの特徴から額縁のフレーム塗装に適していたので採用されたとみられます。
現在では実際のラックニスではなく転写フィルムを貼ったものが多いようですね。
金消しとは?
「金消し(ケシ)」とは金色の見た目に反して「消し」とついています。
どうしてでしょうか?
これは・・・
金箔を細かく砕いた消粉(けしふん:金粉の中でもっとも細かいものです)を塗装する際に使ってるからです。
「金箔を細かく砕いた消粉(けしふん)」を使っているから、「金消し(ケシ)」になるということですね。
ちなみに、消粉とは・・・
金箔を膠(にかわ)液か飴液に混ぜ、乾燥後に揉んで粉末にしたもの。江戸時代から作られ出し、廉価な蒔絵などに用いられています。
消粉とは蒔絵(まきえ)で使われる粉なんですね。
蒔絵の粉には数種類あるのですが、その中で最も細かい粉が「消粉」(けしこ)なのです。
以上を元に「消粉」がどうして消しとつくのか、言葉の意味を調べたのですが、はっきりは分かりませんでした。
個人的な意見ですが消し(ケシ)ともあり、芥子ともあるので、(ケシの実ってアンパンについてる小さいヤツです。)
金の光沢が弱くなって消えるからか、それとも芥子粒のように細かいということを表しているかの、どちらかが語源となっていると予想しますが、
このあたりは実際に専門家に聞いてみたほうがよさそうです。
額縁の種類 金ラックと金消しどちらを使えばいい?
金ラックと金消しの使い分けですが、私が調べた限りでは、明確に用途の使い分けはありませんでした。
個人的な意見にはなりますが、金ラック(落ち着いた色)の方は定番の色なので、幅広い用途に使えると感じます。
たとえば、額縁は賞状だけでなく飲食店に掲示しておく許可証にも使うので、
そういったものを収納する場合には金ケシ(金色)のものを使うよりかは、壁に馴染むのではないかと考えます。
反対に目立たせたいもの、特別な賞状や絵を額縁に収納したい時は金ケシ(金色)を使うといいのではと思います。
(絵は雰囲気に合うものを選択するとよいと思います。)
また、有名メーカーの額縁のラインナップを見てみると、金ラックの方がサイズ展開が多くなっています。
これはサイズ展開を多くしても売れることが分かっているからで、つまり金ラックの方が需要があるということになります。
ですので、ラインナップからも「金ラックの方が定番」と言ってもいいということです。
▼というわけで、まとめてみました。
- 金ラック【茶色と黒の縞模様】・・・定番品が欲しい人、壁馴染みがよくあまり目立たせたくない人、許可証を飾る人
- 金消し(金ケシ)【金色】・・・特別なものを飾りたい人、目立たせたい人、絵を飾りたい人
額縁 金ラックと金ケシの違いの覚え方
金ラックと金ケシの違いですが・・・
- 金ラック・・・茶色と黒の縞模様で落ち着いた色
- 金消し(金ケシ)・・・金色
・・・となり、名称に対して実際の色が反対でややこしいです。
連想して覚えるといいかもしれません。
金ラック➡ラックニス➡元は木の樹液の天然樹脂➡木の色(茶色と黒の縞)
金消し➡消し粉➡蒔絵➡金色
・・・という感じはどうでしょう?
おすすめはラックニスの意味だけ覚えておけば、木の天然樹脂というイメージができるので茶色が入っている方(落ち着いた色)と連想ができます。
両方覚える必要はなく、どちらかだけ覚えてしまえばおのずともう一方の色が分かると思いますよ。
【額縁】金ラック・金消しの違いとは?使い分けはあるのか解説 まとめ
今回の記事では額縁の種類、金ラックや金消しはどう違うのか解説しました。
もういちど、金ラックと金ケシの違いをまとめておきます。
- 金ラック・・・茶色と黒の縞模様で落ち着いた色
- 金消し(金ケシ)・・・金色
すこしややこしいですが、覚えておくことで注文する時に失敗することが防げると思いますよ。
それでは、また。
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