ひでさん
お餅を食べようと思ったらカビてしまっている時ありますよね。
そんな時にあなたはどうしますか?
昔は…

と言われてきましたが果たして本当に大丈夫なのでしょうか?
結論から言うとカビた餅を食べることは大変危険な行為だと言えます。
今回はなぜ、カビたお餅を食べるのが危険なのかということをまとめてみました。
信頼できる情報源をもとに構成しましたので、気になる方はぜひ読んでみてください。
それでは、どうぞ!
- カビたお餅を食べる危険性をお伝えします。
目次
お餅のカビたところだけ取り除けば大丈夫か?
お餅がカビてしまったけれど、悪い部分だけ取り除けば食べれるのでは?
そう言う人がいますが、これはウソです。
それでも、もしも食べ物にかびが生えてしまったら、「もったいない」と思っても食べずに、思い切って捨てましょう。 例えば、餅にかびが生えたときに、かびの部分を取り除いて食べる方もいるようですが、見えるかびがなくなったに過ぎません。見えないかびが餅の内部や表面にまだ残っている可能性が十分あります。
一部分だけ取り除いてもカビは見えないところにカビの根を伸ばしている場合があります。
大丈夫そうな部分だと思って食べても実はカビを摂取してしまっていたということもあるので、カビたものは食べないようにしましょう。
お餅やパンのカビは洗って焼いたら大丈夫?
お餅やパンは気を抜くとすぐにカビてしまいますよね。
このまま捨てるのはもったいないので…
- カビを水で洗えば大丈夫なのでは?
- 焼けば消毒できるのでは?
そう一度は考えるかもしれません。
しかし、実は洗ったり焼いたりという方法ではカビ毒を取り除くことができません。
▼カビ毒を取り除くことができない理由は次の資料が参考になります。
1 カビ毒は熱に強い
カビ毒は、通常の調理や加工の温度(100℃から210℃)や時間(60分以内)では、完全に分解することはできません。2 カビ毒は家庭の調理で分解できるか
ゆでる、炒める、炊飯などのごく一般的な調理方法でカビ毒が減れば安心なのですが… たとえば、ゆでた場合では、食品に50から80%のカビ毒が残り、ゆで水には10から15%ほどが検出されます。この事からゆでることによってはカビ毒はほとんど分解しないことがわかります。 同じように、油で炒めたり、米を炊飯してもカビ毒はほとんど減りません。
つまり、カビ毒は熱に強いので火を通しても完全に分解することができませんし、一般的な調理でカビ毒を分解することもできないのです。
▼調理における具体的なカビ毒の数値としては以下の表が参考になります。
食品 調理方法 カビ毒 カビ毒量(ppb) 調理前 調理後(%) そば ゆでる アフラトキシンB1 8.1 6.8(84.0) ポップコーン 炒める デオキシニバレノール 233 184(79.0) ハト麦 飯 ゼアラレノン 840 740(88.1) 押し麦 炒飯 デオキシニバレノール 264 235(89.0) 調理によるカビ毒の残存( )内は残存率(%)・東京福祉保健局HPより引用

ほとんど変化がありませんよね。
この表から分かるのはしっかり熱を通すような調理をしてもカビ毒はほとんど取り除けないということです。
そもそも有毒なカビを摂取することの何が悪いのか?
有害なカビを摂取することはよくないということは何となくわかっていますが、有害なカビを摂取することで人間の体にどんな変化が起こってくるのでしょうか?
カビ毒の中で特に食品を汚染する頻度が高く、人や家畜に健康被害を起こした事例があるものを表に示しました。これらのカビ毒は長期間摂取することにより肝障害、腎障害、消化器系障害などを起こします。
有害なカビを長期間摂取することにより肝障害、腎障害、消化器系障害などを起こすようです。
▼また普段私たちが口にする食品にも毒を持ったカビが発生することも覚えておきましょう。

東京顕微鏡院・「食品中のカビ毒にご用心」より引用
中でも注意すべきはアフラトキシンのカビです。
なかでもアフラトキシンは天然物質の中で最も発がん性が強いことと、世界的に農産物への汚染が広く発生していることから最も注意が必要なカビ毒です。
以上からカビ毒による人体への影響をまとめると次のようになります。
- 長期間摂取することにより肝障害、腎障害、消化器系障害などを起こします。
- アフラトキシンは天然物質の中で最も発がん性が強い。

もし有害なカビを食べてしまったら?
誤って有害なカビを食べてしまった場合、どう対処すればいいか心配になっている方もいらっしゃることでしょう。
結論から言うと、アレルギーでない場合はまず心配する必要はありません。
カビは胃の中で死滅してしまうからです。
このことに関して、米プロビデンス・セントジョン・ヘルスセンターの胃腸科医、ルドルフ・ベッドフォード医学博士は次のように言っています。
野菜に付着した綿毛のような緑カビや白カビを食べれば、気分が悪くなることはあるかもしれない。でも、ベッドフォード博士によれば、それはカビのせいではなくカビの味が悪いからだとか。
もしカビを食べてしまったら、焦らず、まず吐き気以外の症状が現れるかを観察しよう。ベッドフォード博士が言うように、「胃の中の環境は過酷なので、ほとんどの細菌や真菌は生き残ることができない」
米プロビデンス・セントジョン・ヘルスセンターの胃腸科医、ルドルフ・ベッドフォード医学博士
ベッドフォード博士によると、「カビで本当に気持ち悪くなることはなかなかない」。ただ、吐き気や嘔吐が長引くようなら、間違いなく病院へ行くべき。「カビに対するアレルギー反応が出て、呼吸障害に発展することもある」けれど、一時的かつ治療可能なものなので大丈夫。
引用:同上
博士が「胃の中の環境は過酷なので、ほとんどの細菌や真菌は生き残ることができない」とおっしゃるように摂取したとしても変化がなければまず大丈夫だと思っていいでしょう。
ただし、カビアレルギーがある場合と食中毒菌には注意が必要です。
カビアレルギーがある場合は最悪アナフィラキシーショックに陥ることもありますし、カビが生えるような状況に置かれた食品は食中毒を起こす細菌も繁殖している可能性があります。
カビた食品を口にして体調がおかしいと感じたら必ず病院を受診するか、緊急の場合は救急車を呼ぶようにしましょう。
パンや餅がカビてしまったらどうすればいい?
パンやお餅やお饅頭などの食品がカビてしまったら、心を鬼にして捨てましょう。
有害なカビを摂取してすぐに影響がでるわけではありませんが、カビ毒が体に蓄積されていくと将来的に様々な悪い影響があるので注意が必要です。
かびの中には、かび毒のような人の健康に悪影響を及ぼす物質を作るものや品質を悪くするものがあります。かび毒は熱に強いものが多く、ゆでる、焼くなどの通常の調理条件では分解しません。食品を通して体内に取り込むかび毒はごくわずかであっても、長い間、何度もとり続けた場合には、健康に悪影響を及ぼす可能性があることがわかっています。 したがって、これまで健康上の問題が発生していない場合でも、かびが生えた食品は食べないようにしましょう。
なお、食品の製造に利用されている有用なかびが多数あるように、食品に生えるすべての種類のかびが有害なかび毒を作るわけではありません。しかし、日本にもアフラトキシンなど毒性の強いかび毒を作る種類のかびが環境中にいることが確認されています。
カビていないように見える部分がある場合は捨てるのがもったいなく思うかもしれませんが、将来の健康のために思いきって捨てることをおすすめします。
パンや餅をカビないようにするには?
カビがきてしまったらもう手遅れなので、あらかじめカビないように保存することが重要です。
そこで、カビさせない方法をまとめてみました。
どうして食品はカビるの?
まずどうして食品がカビるのかということですが、それには次のような条件があるからです。
カビの発生に重要な条件として温度、水分、空気(酸素)そして養分があります。
▼詳細をみていきましょう。
温度:一般にカビの発生しやすい温度の範囲は20~30℃です。特に25℃前後で活発となります。4~10℃のいわゆる冷蔵状態では時間がかかりますが生えてきます。しかし、30℃以上になるとカビの発育は著しく抑えられます。
水分:カビが生えるために水分が必要です。カビが生えることと食品中の水分量との関係を示す場合に水分活性Awという用語が用いられています。カビが生えるための最低Awは、カビの種によって異なり、A:0.94-0.99, B: 0.85-0.93, C:0.65-0.84の3通りのカビ群があります。日頃目にするクロカビ、ススカビはA群で高Awでのみ発生します。B群ではアオカビ、コウジカビがあり、さらにC群では低Awの方がよく発育するカワキコウジカビがあります。しかし、Aw 0.65以下ではほとんどのカビが発育できません。
空気(酸素):カビにとって酸素は必要不可欠であり、酸素の無い状態では発育しません。しかし、空気中の残存酸素量が0.1%前後でもあれば生えるカビが出てきます。
養分:糖分はカビにとって重要なエネルギー源です。食品でカビが生えやすいのはこのためです。また、蛋白、脂質、無機塩類、ビタミンなどあればさらに生えやすくなります。しかし、逆に糖分や塩分が多すぎると水分活性が低くなり、かえってカビは生えにくくなります。伝統食品である塩漬け食品が保存食として利用されてきたのはそうした理由からです。
以上の条件を見てみると、食品はそのものに養分や水分があるので、カビやすい条件が整ってしまっているということが分かります。
カビないようにするには充分に注意する必要があるようです。
冬も注意!
本来湿度が高く暖かい季節の方が食品はカビやすいですが、湿度の低い冬であっても油断は禁物です。
暖房を使用するので温度が高くなる場合があるからです。
また最近は加湿器も感染症予防の観点から積極的に使われるようになってきましたが、カビの好む湿度が高い状況を作り出す元にもなります。
同じく調理をするキッチン周辺は温度や湿度が高くなる傾向にあります。
もしキッチン周辺で食品を保存している場合はコンロや水回りから遠ざけるなど一度場所を考えた方がいいかもしれません。
カビさせない保存方法
カビの発生しやすい条件を崩してやればカビが発生しない環境を作ることができます。
カビを発生させない確率を高めるには部屋に出しっぱなしにせずに冷凍するのが一番手っ取り早い方法です。
餅の場合は具体的には、大きな餅の状態でだしっぱなしにしておくのではなく、早めにカットしてサランラップで一つずつくるんでジップロックなどの保存バッグに入れ冷凍庫に保存しましょう。
この際、空気が入らないようにしたり、手で触らないようにできるとベストです。
食べられる分量を把握する
あと意外と見落としがちなのが、作りすぎない。買いすぎないことです。
食品がカビてしまう原因のほとんどは購入し開封してから日数が経ってしまうことで起こります。
家で餅をつくのであれば作りすぎないように、パンなどであれば食べる分だけ購入するようにすればカビを心配する前に食べきることができるでしょう。
余ってしまうようであれば早めに判断して冷凍などの対策をとることをおすすめします。
危険なカビ摂取とカビない保存方法 まとめ
今回の記事はカビを摂取する危険性、食品の保存方法についてお伝えしました。
チーズや発酵食品など活用されるものもあるので危険なカビばかりではありませんが、有毒なものは長期間摂取しつづけると危険なので注意して扱うようにしたいですね。
それでは、また!
ひでさんでした!(@tekutekuhidesan)
合わせて読みたい
